セリーナ・ウィリアムズはレジェンドか
大阪なおみ選手が日本人初のグランドスラム制覇を果たした全米オープン。
この試合、色々なことで騒がれ、純粋な祝福ムード一色にはならなかったのが残念でもあり、だからこそ人々の心に残る一戦になったとも言えるかもしれません。
試合の細かなことは、さまざまな媒体で取り上げられているので、ここでははしょるとして、問題となっているセリーナ・ウィリアムズ選手の行為について掘り下げたいと思います。
問題となった行為は大きく分けて3点。
試合中にコーチの助言を受けたこと、ラケットの破壊、主審に対する『泥棒』といった暴言の3つ。
この試合姿勢を重く見た全米テニス協会は、セリーナに対して罰金1万7000ドル(約188万円)を命じました。
大阪選手のブーイングの中での涙の表彰式は悲しかったですね。
僕が感じたのはセリーナの勝利に対する執念。
主審への暴言は今まで感じてきた男女への差別などもあって、出てしまったことではあると思う。
しかし、ラケットを破壊してまで勝ちに貪欲になるっていうのは、女王の女王たる所以を見た思いがしました。
ここまで勝ちに貪欲な選手だからこそ、ここまでの選手になったんだろう。
逆に言えばこういう部分があるからこそのこれまでの圧倒的に実績なんだな、と感じました。
しかし、男子では許されることが女子では許されない、との感情は思っててもそれを試合に出すのはいかがなもんなかぁ。
他の選手達も男女での差別という部分を暗に認めてる部分もあるし、実際にあるんでしょう。
これは、これを機に大いに議論されるべきであるし、良い方向に進めばいいですね。
でも、誰かが許されてるからいいだろうという考えは良くないよなぁ、って思うんです。
レジェンド、ナブラチロワさんも『男子が見逃されているのだから、女子だって見逃されるべきだ、という考えは賢くない』と言及してます。
そんなの小学生が悪さする時の言い分じゃんってなんだか思っちゃいました(笑)
ラケットの破壊については、僕は闘志をむき出しにする選手が好きなので、比較的好意的に捉えたんですが、ここでもナブラチロワさんは『私も現役時代に何度も自分のラケットを粉々にしたいと思った。でも、その時は子供たちが見ていると考えた。そうすることで、渋々でもラケットを収めていた』と、とても優等生な発言(笑)
まさに女王の流儀ですね。
調べたところ、セリーナは04、09、11年の全米オープンでもコート上で騒動をおこしているやんちゃものなんですね。
ナブラチロワさんが前代未聞の決勝と振り返る一方で、「ウィリアムズさんは試合後に確かにオオサカさんに素晴らしい態度を見せた。真の王者とも言えるかも知れない。オオサカさんの試合中、そして、試合後の振る舞い方こそが、本当の意味で感動的だった」と新女王・大坂選手の人間性を高く評価している。
王者は、ただテニスが強いだけではいけないとの感情が汲み取れ、なるほどと唸らされました。
このナブラチロワさんのコメントを見るまではセリーナ選手の行為は、執念とかそういう部分で素晴らしい!と拍手喝采の思いでしたが、元女王の言葉に、確かに王者たる者振る舞いも気をつけなくてはならない、との思いが。
何はともあれ大阪選手の優勝はめでたいものです。
しかしながら、1ゲーム落としてまで色々な問題行動を起こしたセリーナ選手の執念も評価に値するのではないかな、とは思います。(決して褒められたものではないですが…)
これをキッカケに人種や性の差別問題も議論されるべきだし、ただの決勝よりはそういった部分では大きな意味を持つ試合になったんじゃないでしょうか。
最後に。
セリーナ選手はレジェンドか。
答えはみなさんの心の中に。